![]() 「ヒューマン・スケールの街、京都」 今から15、6年前だったか、俺が流行通信社にいた頃、当時「丸井・流行通信大賞」というファッション・コンテストがあって、そのプロデュースを2度ほど担当したことがある。ちょうど俺が前任者から受け継いだ時くらいに、丸井さんは渋谷にインテリア館をオープンさせ、これからインテリアにも力をもっと入れていきたいという時期だったので、従来のファッション部門に加えて新たにインテリア部門を創設した。 ファッション部門についてまず簡単に説明しておくと、全国からファッション・デザインを募り、第一次審査(流行通信社内においてデザイン画を審査する)、第二次審査(審査員の方々に流行通信社のスタジオに来ていただき、そこでさらにデザイン画を審査してもらう)を経て、最終的に30〜40くらいの候補に絞った上で、それをファッション・ショウ形式で、会場に審査員の方々をはじめ、丸井さんや流行通信社の偉いさんを呼んで、そしてお客さんも入れて公開審査を行うというものだった。俺が依頼をした審査員は、ファッション・デザイナーの菊池武夫さん、安部兼章さん、田山淳朗さん、津森千里さん、山藤昇さんなど、他に忘れてしまった人もいると思う。すいません。とっても重要な人を忘れている気がするんだよね。いつもキャップをかぶっていた元気なおじいちゃん。デザイナーさんじゃないけど、誰だったっけなぁ……。たしか審査委員長をお頼みしたこともあったくらいの人だったし、我ながら、本当に失礼な話です。 全国からなるべく多くの応募を募るために俺は全国の専門学校などを回って、説明会を行った。特に名古屋/大阪/東京モード学園さんや文化服装学院さん、バンタンデザイン研究所さんなどには有力校として何度となく足を運んだ。余談だけど「何で私を落としたの?」と個人応募の方からカミソリ入りの封書が俺宛てに届いたことがあって、戦々恐々としたこともあった。またこのイベントのディレクションをお願いしていたのが、ファッション・ショウのスペシャリストでもあるファッション・プロデューサーの四方義朗さん。一般的にはファッション・コメンテーターとしての活躍が有名な彼だけど、その彼が代表取締役社長を務めるサルインターナショナルで四方さんと打ち合わせをしていると、男の俺でも彼のダンディさに憧れることがしばしばあった。だっていつだってピシッとしたシャツを着ていたんだよね。いくら夏の暑い日でもね。俺なんて夕方くらいになれば、シャツなんてもうヨレッてしていたもんなぁ。あれは不思議だった。 前書きがえらく長いけど、もうちょっと待ってね。で、そこに加わったインテリア部門。審査員には建築家の高松伸さんや北川原温さん、インテリア・デザイナーの杉本貴志さん、審査委員長は日本インテリア界の巨匠、インテリア・デザイナーの岩倉榮利さんだった。俺にしては初めての建築、インテリア関係の人脈が広がったわけで、最初、審査員の方々をお招きしての食事会では、たしか広尾のイタリアンだったと思うけど、緊張しまくってうまく説明できなかったような気がする。その時に思ったのは、建築家やインテリア・デザイナーという人種はかなりカッコいい。理系の頭脳に、センスも良くて、一流ともなればそこに文系の教養もある。たまたま食事会の時に、本当にたまたま建築家の磯崎新さんも来られていて、親睦を図るような場面もあったけど、建築家の皆さんはたいてい紺か黒のスーツにスタンド・カラーの白シャツを着ていたような印象がある。一流建築家の制服だろうか?(笑) そういえば今や表参道ヒルズで一般的にも有名な世界的建築家の安藤忠雄さんもいつもそんなファッションだな。 まぁ、長くなったけど、その「丸井・流行通信大賞」が縁で知り合った建築家の1人が高松伸さんで、その後も他の企画などで取材をさせていただいた。彼は京都在住で、京都の建築はもちろん、日本、世界のさまざまな建築を手がける世界的な建築家だ。特に関西には彼の有名な作品も多くて、興味のある方は彼の事務所のHPを是非ご覧ください(前出の「高松伸さん」をクリックすればHPに飛びます)。その彼の事務所を岩倉榮利さんと訪ね、2人の対談という形で取材を行った時、高松さんが教えてくれた京都の街についてのことが忘れられない。 俺に「京都でお茶屋遊びしたことあります?」「いえ」(まだその頃、俺は30代前半)「お茶屋に行くと分かるんだけど、部屋の敷居や襖の寸法が少し小さく作られているんですよ、どうしてだか分かりますか?」「いえ、どうしてでしょうか」「小さく作ることで、そこをくぐって入ってくるお客さんが大きく見えるんです」と話してくれた。俺はなるほどと思った。つまり京都という街は人間を主体にして作られていて、しかもお客さんが主体。お客さんを迎える女性は部屋の暗がりの中にいて、谷崎潤一郎の「陰影礼賛」じゃないけど、仄暗い灯りの中で主客が雅趣よろしく戯れる。そういえば昔、有名な照明デザイナーの海藤春樹さんと飲んだ時、彼が仲間たちと年に1回、みんなで女装して祇園のお茶屋で馬鹿騒ぎをすると言っていた。仲間というのは音楽家の三枝成彰さんやアート・ディレクターの浅葉克巳さんなどなど。今も続いているのかなぁ……、で、こんなことを俺書いていいんだろうか(笑)。その際、灯りがとてもいい演出になると言っていたことを思い出した。また祇園のお茶屋には本物のゲイも来られて、某男性は厚くおしろいを塗って、たしか高名な舞台作家・脚本家だけど、彼はそうやって若い男を幻想の世界に誘うというようなこともこっそり教えてくれた。ボーッと浮かび上がる彼の顔は鬼気迫る形相でかなり凄いそうだ。祇園恐るべし、京都恐るべし……、いやそうじゃなくて、彼が怖いのか(笑)。 京都って、そんなに行ったことないんだけど、いつかお茶屋遊びってしてみたいなぁ。芸能界の仕事もしていたこともあって、銀座や六本木の高級クラブや料亭での遊びは相当させてもらったけど(いつか書ける範囲でこのブログにも書きます)、京都のお茶屋遊びは未体験ゾーン。仕事を一生懸命やってお金を稼いで、俺も仲間たちとみんなで馬鹿騒ぎをやってみたい。それから川床かな。芸者さんや舞妓さんを呼んで風流に楽しんでみたい。なんかそんなことをふと思った今日この頃でした。 |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
おはようございます。 |
如月メイ 2006/04/17 06:21 |
オォ〜!!じゃぱにーずてぃすとぉ〜!!! |
さおりっぺ。 2006/04/17 09:13 |
京都、いい町ですね。しっとりとした何ともいえない感じです。 |
パオクン 2006/04/17 22:17 |
京都には中・高の修学旅行を含め3度行ったことがあります。 |
maki 2006/04/18 09:07 |
久々にコメントです(ようやく一週間分を読み終えました・・・) |
おれれ 2006/04/18 09:25 |
↓如月メイさん |
Katsura 2006/04/18 11:30 |
↓さおりっぺ |
Katsura 2006/04/18 11:36 |
↓パオクン |
Katsura 2006/04/18 11:44 |
↓makiちゃん |
Katsura 2006/04/18 11:53 |
↓おれれさん |
Katsura 2006/04/18 12:08 |
京都で馬券を買うと当たります。G1にかぎりw |
純♪ 2006/04/20 02:05 |
ヒューマン・スケールという言葉にピンときました。私は東京出身ですが、これまでに名古屋とNew Yorkに数年間ずつ暮らしてきました。これら3都市の比較感でいうと、東京はもはやヒューマンスケールを越えてしまった都市だと考えます。名古屋もNYも通勤ですし詰めの電車の中で二時間を費やす人は殆どいません。皆どこかで我慢し、ストレスを溜めながら暮らしている感じがします。これはヒューマンスケールを越えてしまった都市特有のストレスでしょう。NYも名古屋も人口こそ数百万を数えますが、一時間程度のドライブで緑あふれる大自然、波打ち寄せる太平洋・大西洋の砂浜へ気軽に行くことができます。東京ではストレスを癒しにいくのにまた混雑でストレスを感じてしまいます。人々が無理をすることなく暮らせる。それがヒューマンスケールということなのではと考えます。私は故郷が東京なので東京は大好きです。しかし、人生の精神的な豊かさを考えた時、ヒューマンスケールを越えたこの街が私にどれだけの精神的な豊かさをもたらすのかを冷静に考えてみる必要があるのかもしれないなと感じています。 |
New Yorker 2006/04/20 03:42 |
↓純さん |
Katsura 2006/04/20 19:35 |
↓New Yorkerさん |
Katsura 2006/04/20 19:52 |
以外なことに日本人駐在員の多くは郊外電車に30〜40分揺られて通勤する人が多いんですよ。こうした人たちが住んでいる場所は、結構緑が多くて、道によっては高原の中の別荘地を走っているのと勘違いするような場所もあります。決して南の島の海と言うわけにはいきませんが、近隣の海で取れるひらめやロブスターも案外美味しかったりするんですよ。摩天楼と自然がいいギャップを織り成しているのがニューヨークの魅力なのかもしれません。 |
New Yorker 2006/04/21 04:33 |
↓New Yorkerさん |
Katsura 2006/04/23 20:09 |
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