Katsura's Cool Days

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<<   作成日時 : 2006/04/17 05:49   >>

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「ヒューマン・スケールの街、京都」

今から15、6年前だったか、俺が流行通信社にいた頃、当時「丸井・流行通信大賞」というファッション・コンテストがあって、そのプロデュースを2度ほど担当したことがある。ちょうど俺が前任者から受け継いだ時くらいに、丸井さんは渋谷にインテリア館をオープンさせ、これからインテリアにも力をもっと入れていきたいという時期だったので、従来のファッション部門に加えて新たにインテリア部門を創設した。

ファッション部門についてまず簡単に説明しておくと、全国からファッション・デザインを募り、第一次審査(流行通信社内においてデザイン画を審査する)、第二次審査(審査員の方々に流行通信社のスタジオに来ていただき、そこでさらにデザイン画を審査してもらう)を経て、最終的に30〜40くらいの候補に絞った上で、それをファッション・ショウ形式で、会場に審査員の方々をはじめ、丸井さんや流行通信社の偉いさんを呼んで、そしてお客さんも入れて公開審査を行うというものだった。俺が依頼をした審査員は、ファッション・デザイナーの菊池武夫さん安部兼章さん田山淳朗さん津森千里さん山藤昇さんなど、他に忘れてしまった人もいると思う。すいません。とっても重要な人を忘れている気がするんだよね。いつもキャップをかぶっていた元気なおじいちゃん。デザイナーさんじゃないけど、誰だったっけなぁ……。たしか審査委員長をお頼みしたこともあったくらいの人だったし、我ながら、本当に失礼な話です。

全国からなるべく多くの応募を募るために俺は全国の専門学校などを回って、説明会を行った。特に名古屋/大阪/東京モード学園さんや文化服装学院さん、バンタンデザイン研究所さんなどには有力校として何度となく足を運んだ。余談だけど「何で私を落としたの?」と個人応募の方からカミソリ入りの封書が俺宛てに届いたことがあって、戦々恐々としたこともあった。またこのイベントのディレクションをお願いしていたのが、ファッション・ショウのスペシャリストでもあるファッション・プロデューサーの四方義朗さん。一般的にはファッション・コメンテーターとしての活躍が有名な彼だけど、その彼が代表取締役社長を務めるサルインターナショナルで四方さんと打ち合わせをしていると、男の俺でも彼のダンディさに憧れることがしばしばあった。だっていつだってピシッとしたシャツを着ていたんだよね。いくら夏の暑い日でもね。俺なんて夕方くらいになれば、シャツなんてもうヨレッてしていたもんなぁ。あれは不思議だった。

前書きがえらく長いけど、もうちょっと待ってね。で、そこに加わったインテリア部門。審査員には建築家の高松伸さん北川原温さん、インテリア・デザイナーの杉本貴志さん、審査委員長は日本インテリア界の巨匠、インテリア・デザイナーの岩倉榮利さんだった。俺にしては初めての建築、インテリア関係の人脈が広がったわけで、最初、審査員の方々をお招きしての食事会では、たしか広尾のイタリアンだったと思うけど、緊張しまくってうまく説明できなかったような気がする。その時に思ったのは、建築家やインテリア・デザイナーという人種はかなりカッコいい。理系の頭脳に、センスも良くて、一流ともなればそこに文系の教養もある。たまたま食事会の時に、本当にたまたま建築家の磯崎新さんも来られていて、親睦を図るような場面もあったけど、建築家の皆さんはたいてい紺か黒のスーツにスタンド・カラーの白シャツを着ていたような印象がある。一流建築家の制服だろうか?(笑) そういえば今や表参道ヒルズで一般的にも有名な世界的建築家の安藤忠雄さんもいつもそんなファッションだな。

まぁ、長くなったけど、その「丸井・流行通信大賞」が縁で知り合った建築家の1人が高松伸さんで、その後も他の企画などで取材をさせていただいた。彼は京都在住で、京都の建築はもちろん、日本、世界のさまざまな建築を手がける世界的な建築家だ。特に関西には彼の有名な作品も多くて、興味のある方は彼の事務所のHPを是非ご覧ください(前出の「高松伸さん」をクリックすればHPに飛びます)。その彼の事務所を岩倉榮利さんと訪ね、2人の対談という形で取材を行った時、高松さんが教えてくれた京都の街についてのことが忘れられない。

俺に「京都でお茶屋遊びしたことあります?」「いえ」(まだその頃、俺は30代前半)「お茶屋に行くと分かるんだけど、部屋の敷居や襖の寸法が少し小さく作られているんですよ、どうしてだか分かりますか?」「いえ、どうしてでしょうか」「小さく作ることで、そこをくぐって入ってくるお客さんが大きく見えるんです」と話してくれた。俺はなるほどと思った。つまり京都という街は人間を主体にして作られていて、しかもお客さんが主体。お客さんを迎える女性は部屋の暗がりの中にいて、谷崎潤一郎の「陰影礼賛」じゃないけど、仄暗い灯りの中で主客が雅趣よろしく戯れる。そういえば昔、有名な照明デザイナーの海藤春樹さんと飲んだ時、彼が仲間たちと年に1回、みんなで女装して祇園のお茶屋で馬鹿騒ぎをすると言っていた。仲間というのは音楽家の三枝成彰さんやアート・ディレクターの浅葉克巳さんなどなど。今も続いているのかなぁ……、で、こんなことを俺書いていいんだろうか(笑)。その際、灯りがとてもいい演出になると言っていたことを思い出した。また祇園のお茶屋には本物のゲイも来られて、某男性は厚くおしろいを塗って、たしか高名な舞台作家・脚本家だけど、彼はそうやって若い男を幻想の世界に誘うというようなこともこっそり教えてくれた。ボーッと浮かび上がる彼の顔は鬼気迫る形相でかなり凄いそうだ。祇園恐るべし、京都恐るべし……、いやそうじゃなくて、彼が怖いのか(笑)。

京都って、そんなに行ったことないんだけど、いつかお茶屋遊びってしてみたいなぁ。芸能界の仕事もしていたこともあって、銀座や六本木の高級クラブや料亭での遊びは相当させてもらったけど(いつか書ける範囲でこのブログにも書きます)、京都のお茶屋遊びは未体験ゾーン。仕事を一生懸命やってお金を稼いで、俺も仲間たちとみんなで馬鹿騒ぎをやってみたい。それから川床かな。芸者さんや舞妓さんを呼んで風流に楽しんでみたい。なんかそんなことをふと思った今日この頃でした。

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コメント(16件)

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おはようございます。
タイトルの「京都」に反応しました(笑)
夫が数回、仕事関係でお茶屋遊びをしたみたい。
でもね、夫みたいに遊びが???の人には、その良さが分からないのかも〜。どうだった〜と聞いても、自分でお金を出してまでは、行きたくないって〜。粋な人が行く所かなぁ〜。
Katsuraさんの文章読んでわかったわ!
京都は、「お客を迎える町」なのね。だから、京都に住んでいる京都人は、住みにくいのよ!本当に、京都は難しいわ!ややこしいのよ〜。
如月メイ
2006/04/17 06:21
オォ〜!!じゃぱにーずてぃすとぉ〜!!!
和紙越しの薄ぼんやりした灯りに、和姿・・・キャー☆
雰囲気あるなや〜
さおりっぺ。
2006/04/17 09:13
京都、いい町ですね。しっとりとした何ともいえない感じです。
僕は、2回くらい行きましたがよかったです。
でも、ある人に言わせると、住む町じゃないっていいますね。観光の町だといいます。やっぱり、お客を迎える町なんですね。
お茶屋あそびですか、やってみたいな。
お金を溜めて、僕もしてみたい。
どんなにいいのかを一度、経験したいです。
パオクン
2006/04/17 22:17
京都には中・高の修学旅行を含め3度行ったことがあります。
少し前に話題になっていた「一澤帆布」でバッグを、そして「よーじや」で油とり紙を買ってきました。
京都の街は古風で昔の日本の風情を感じさせてくれるけれど、「観光」で行くからいいんでしょうね。
お茶屋遊び、経験したら感想を聞かせてね♪
maki
2006/04/18 09:07
久々にコメントです(ようやく一週間分を読み終えました・・・)
「京都はお客を迎える街」言いえて妙!近くに住んで、しょっちゅう広隆寺や清水寺、三年坂に行きたいとは思うんですが。。。
しかし、一流どころ勢ぞろいな面々・・・すごい人脈です。
お茶屋遊びは一見さんはできないんですよね?(祇園の方の本を読んでの知識です)まずはツテからでしょうか(笑)男性だけじゃなく女性も楽しめる、粋で風流、雅なイメージがあります。古き良き、日本の伝統の遊びですよね〜。本当の一流の人かどうか試されるらしいですよ♪体験談、是非おねがいしますね☆
おれれ
2006/04/18 09:25
↓如月メイさん
京都に住まわれている方の実感って貴重ですね。俺たちは観光としてしか京都という街を捉えていませんが、そこに住んでいる方たちの視点に立つと、どうなんだろうってメイさんのコメントを読んで思いました。京都って、俺の知る範囲ですが、「お客さんを迎える街」でありながら、排他的な側面もありますよね。京都のルールに従わないと「ぶぶ茶」を出されたりする気がします。でもいろいろな外国の方と話すと、「京都に行ってみたい」と皆さんおっしゃいます。日本が世界に誇る街、京都を大切に守っていきたいものです。そこにこれからの日本を創造するヒントもありそうな気がします。
Katsura
2006/04/18 11:30
↓さおりっぺ
「和」といえば、さおりっぺだべ(笑)。よっ! 和美人。着物のさおりっぺは日本の女将です。着物着る時って、下着はどうなっているのかなぁ。俺、ちょっとエロ入りました(笑)。すいません。いつか誰かの帯を持ってクルクルって回してみたい(笑)。
Katsura
2006/04/18 11:36
↓パオクン
京都って、訪れる人にとってはたぶんいい街ですよね。俺もだいぶ年齢がいってきたから(笑)、今度は「古寺巡礼」じゃないけど、ゆっくり古刹を回ってみたい。幽玄の美を味わってみたいし、さまざまな仏像の声に耳を傾けてみたいです。そしてまた、坂本竜馬をはじめ、維新の獅子たちが走った街を俺も走ってみたい、ジョギングだけど(笑)。また、坂本竜馬が愛した寺田屋のおりょうさんのような女性に出会ってみたいです。お茶屋遊びはなんか永遠の男の憧れかもしれませんね。
Katsura
2006/04/18 11:44
↓makiちゃん
俺も修学旅行で行ったことがある。その時は夜、友達と旅館を抜け出して、京都のライブハウスにブルース・バンドを観に行った。その後、東京に行って、東京でも同じようなことをしたけど、なんか高校時代の愉快な思い出です。音楽が好きだったんだなぁって今さらながらに思います。「一澤帆布」と「油取り紙」、さすがにお洒落なmakiちゃんらしい、ファッションとビューティだ。お茶屋遊びはまだまだできないと思うよ。仮にもし、もし何かのはずみで大金が転がり込んできても成金趣味でするのも嫌だし、お茶屋遊びが似合う俺になった時に初めてできると思います。こんな年齢で言うのもなんだけど、俺はまだガキです。
Katsura
2006/04/18 11:53
↓おれれさん
「1週間分を読み終えました」って、そんなぁ、とっても超嬉しいです。俺ごときの拙文を読んでいただいて、本当に心の底から、ありがとうございます。この記事で書いたデザイナーさんや建築家の方々はどの方も凄い人たちだし、素晴らしい業績を誇る方々です。でも決して俺の人脈ではありませんよ。仕事で何回かご一緒させていただいただけですから、とてもとても俺なんかが「よっ! 元気?」なんて言える人たちではないし、今、お会いしても2〜3人くらいはもしかすると「かつら君?」って言ってくれるかもしれないけど、他の方々は俺から自己紹介してやっと思い出していただけるかなぁと思う感じです。俺、国内外の有名著名人に取材などを通してお目にかかることは多いけど、それが人脈になっていくのはごく一部です。俺も一見じゃなく、祇園で粋に遊べるようになって、彼らの人脈に入ることができるような気がします。でもまぁ、俺の夜の酒の若い人脈も愉快で楽しいですけど(笑)。
Katsura
2006/04/18 12:08
京都で馬券を買うと当たります。G1にかぎりw
純♪
2006/04/20 02:05
ヒューマン・スケールという言葉にピンときました。私は東京出身ですが、これまでに名古屋とNew Yorkに数年間ずつ暮らしてきました。これら3都市の比較感でいうと、東京はもはやヒューマンスケールを越えてしまった都市だと考えます。名古屋もNYも通勤ですし詰めの電車の中で二時間を費やす人は殆どいません。皆どこかで我慢し、ストレスを溜めながら暮らしている感じがします。これはヒューマンスケールを越えてしまった都市特有のストレスでしょう。NYも名古屋も人口こそ数百万を数えますが、一時間程度のドライブで緑あふれる大自然、波打ち寄せる太平洋・大西洋の砂浜へ気軽に行くことができます。東京ではストレスを癒しにいくのにまた混雑でストレスを感じてしまいます。人々が無理をすることなく暮らせる。それがヒューマンスケールということなのではと考えます。私は故郷が東京なので東京は大好きです。しかし、人生の精神的な豊かさを考えた時、ヒューマンスケールを越えたこの街が私にどれだけの精神的な豊かさをもたらすのかを冷静に考えてみる必要があるのかもしれないなと感じています。
New Yorker
2006/04/20 03:42
↓純さん
コメント、ありがとうございます。嬉しいです。京都でG1の馬券!? 純さんバッチリ当てているのかなぁ? 俺、競馬やったことなくて、じゃ、G1買うなら京都で買わなきゃだな。誰かに買ってもらおう。
Katsura
2006/04/20 19:35
↓New Yorkerさん
本当ですね、東京はヒューマン・スケールを超えて、今やモンスター・タウンですね。いろいろなところでそれが歪みになって、人間や動物の生活を脅かしています。ストレスというのは実はさまざまな病気の素ですし、人間はストレスだけでひと晩で頭髪が真っ白になるそうです。せめて自然が身近に、そして気軽に行ける環境というのは大切ですよね。NYは、案外、近くに自然が多いんですね。NYというとマンハッタン、摩天楼というイメージが強くて、あまり自然のことは他国にいると分からないんですよ。そういえば昔、TVCMで「NYではハドソン川でこんなに大きな魚が釣れる」って、開高健氏が釣った魚を抱えるシーンがありました。少しずつ東京の河川も綺麗になっています、今後に期待したいと思います。東京が何を与えてくれるのかについても、考えていきたいと思います。
Katsura
2006/04/20 19:52
以外なことに日本人駐在員の多くは郊外電車に30〜40分揺られて通勤する人が多いんですよ。こうした人たちが住んでいる場所は、結構緑が多くて、道によっては高原の中の別荘地を走っているのと勘違いするような場所もあります。決して南の島の海と言うわけにはいきませんが、近隣の海で取れるひらめやロブスターも案外美味しかったりするんですよ。摩天楼と自然がいいギャップを織り成しているのがニューヨークの魅力なのかもしれません。
New Yorker
2006/04/21 04:33
↓New Yorkerさん
返事が遅くなってすいません。週末から仕事と私事が忙しくてしていました。NY意外と自然に隣接しているんですね。東京も多摩のほうに行くと、ここも都下なんだろうか?と思えるくらい田舎の景色が出てきます。俺が住み出した用賀も砧公園という大きな公園があって、なかなか自然を満喫できます。街と自然、これがバランスよくあると、人間もストレスなく生きていけるのでしょうね。いつかまたNYに行く機会があったら、NYの自然にも目を向けてみたいと思います。
Katsura
2006/04/23 20:09

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